笑う黒犬の憂鬱

妻をなくした黒犬が這い回る日常を綴っています

追想67「僕のすべきこと」

ZOZOとの戦いはまだ残っているが、妻の衣服の整理はまあ何とか進んでいる。


おかげで随分前に病院から出された「妻の最期のコーディネート」という宿題も完了した。女子の服はよくわからないが、できるだけ妻らしいものを選んだ。


「妻が大事にしていた」そうな物も見つかった




家族のアルバムも作ったので、今日は全部まとめて病院に持っていった。妻は好きなものに囲まれて、ゆっくり寝ていればいい。なにしろ、どうやら妻に残された時間は少ないそうなので。






随分長いこと逃げちゃってたな。


刻々と病状が進行する妻を見るのは、

僕は正直つらいのだ。


妻はもう笑えない。

妻を笑わせることが、僕の一番の目標だった。

なら僕は今、何をすればよい?





宿題の「コーディネート」渡す時、なんて言ったらいいか分からなくてパニックになった。


「死んだらこれ着せてあげてください。」じゃ、ねえよな。「これ、例のやつです。」じゃ、通じねえよな。「万が一の場合は、これを着させてあげてください。」うん。これだよな。


できるだけ冷静に、分かり易く言いたかったのだが、涙が止まらず全然言えなかった。…はあ、まだまだだな、オレよ。全くもってみっともない。





「なら僕は今、何をすればよい?」


ホントは、もう分かってる。


妻の愛した子どもたちのために、できることをするのだ。僕はきちんと仕事をこなし、ごはんを作り、冗談を言い続けながら、子どもたちを見守る。だから、安心して寝ているがよい。


逃げててごめんなさい。

これから、ちゃんとやります。

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