笑う黒犬の憂鬱

妻をなくした黒犬が這い回る日常を綴っています

追想53「給食番長」

僕一人で見舞いに行く時には、いつも食事の補助をする。


妻があと「どれだけ生きられるか」は、「どれだけ食べられるか」にかかっているのだ。


鬼の給食番長ぶりを発揮して、とにかく食わせるのだ。目標が定まった僕の行動スペックは高い。



とにかく、食わせるのだ。

おそらく妻もそれを理解している。

僕が差し出すものは、がんばって食べてくれる。


今日は、夕食に合わせて行こうと思う。


子どもたちは、「今日はいいかな」という。

全くへたれがっ。

まあ、その問題についてはまた今度考えよう。


今日も、たっぷり食ってもらいます。

覚悟しておけ。我が妻よ。













言っているそばから

さっき病院から電話があった。


どうやら飲み込む機能がやられたらしく、

口からの栄養補給が今後難しいとのこと。

じゃあどうやってメシ食うんだよっ。


今後は点滴で命を繋ぐという相談。


根気強くやれば、食べてくれたのだがな。

「妻にごはんを食べさせる天才」の僕だったはずだったのにな。


でも、今後もできるだけがんばるぜ。


針を刺すのは、そのあとだぜ。

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