笑う黒犬の憂鬱

妻をなくした黒犬が這い回る日常を綴っています

追想55「スローバラード」

<2017年7月17日>


僕らの結婚記念日は7月20日。

結婚した日は「海の日」だった。


海が大好きな僕は、結婚記念日を一生忘れないよう「海の日」に結婚したのに、その後「海の日」は毎年かわるようになった。

詐欺にあったような気分だが、とりあえず日本政府が決めたことなので仕方ない。僕らの結婚記念日は「海の日」ではない。まあ、仕方ないのでそこは納得しておこう。



というわけで「海の日」は毎年かわる。

でも、次男の誕生日は毎年変わらない。今日だ。


次男の誕生日も含めた今週の連休は、妻の病院に家族で泊まった。子どもたちは近くの温泉施設で温泉三昧。あまりにも帰ってこないので心配する看護師さんたちに「いつものことですから」と僕は頭を掻きながら、表情のない妻の横でヘタクソなギターを弾き続ける。



カーラジオから

スローバラード

夜露が窓を包んで


悪い


予感の


かけらも


ないさ


僕ら 夢を 見たのさ

とても よく似た 夢を




子どもたちが帰ってきた。

おばかちゃんはまたiPhoneを壊したらしい。

まあ仕方ない。いろいろ対応しますか。



妻の物だったiPhoneからは

妻の好きなハードコアサウンド

空調のおかげで夜露もないが


悪い 予感の かけらも ないさ


きちんと受け止めて

きちんと生きていきます




7月20日は「海の日」ではなくなったが、

僕らの結婚記念日であることに変わりはない。


僕らは今年結婚20周年を迎えるのだ。


悪い 予感の かけらも ないさ


どんと来い、20周年。

















…僕は、嘘をついた。

悪い 予感が ないわけがない。


色々心配続きで、血圧ばかり上昇している。

今後は、自身の血圧とも向き合うのか。


めんどくせえなあ。ホント。

やることばっかり増えていく。



でも、敢えてもう一度叫んでみる。



「悪い予感のかけらもない。」



ざまあみろ。

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