笑う黒犬の憂鬱

妻をなくした黒犬が這い回る日常を綴っています

7号

(2007年@子どもたちが小さかった頃)


夕食後。

長男ロプロスがはさみを使って

何やら製作中。


丸く切った紙の真ん中に「1」と書き、

自分のおでこにセロハンテープで

貼り付けました。


さらに大きく切った紙の真ん中に

同じように「1」と書き、

今度は胸に貼り付けます。


手首から肘にかけて、

白い紙を巻き付け

「うでガード」が完成。


足首から膝にかけて、

同じように白い紙を巻き付け

「あしガード」も完成。


紙をやたらと貼り合わせて、

畳半分くらいのマントも完成。


見事に「スーパーヒーロー」が

誕生しました。

…で、何ていうヒーローなの、

ロプくん?




「1号。」




そう言い放つと、

1号は再び黙々と

何かを作り続けるのでした。




*****


2分後。


「2」と書いた丸い紙を

僕の胸に貼り付け、


「パパが2号。」


1号は、いつものように

勝手に役割分担をします。

2号のマントは、A4の紙1枚。

自分のマントは畳半分くらいのを

作ったのに。

これじゃあまるでイタズラで

背中に貼り紙されてる

おバカちゃんみたいです。


そんな愚痴を胸の中でつぶやく

僕を尻目に1号は、

母親の胸に「3」、背中にA4の貼り紙を。


これじゃあまるで

夫婦そろって間抜けな

おバカちゃんみたいです。



*****



「よしっ。 

 みんな変身したなっ。

 いくぞっ。」



気合い充分の1号。

しかし、肝心なお方を忘れてます。



「ポッくんもヒーロー、

 なりたーい。」



シュレックに出てくる

長靴を履いた猫のような瞳

1号を見つめる次男ポセイドン。



「仕方がないなー。

 じゃあポッくんは4号ね。」


そう言って再び

製作活動に入った1号さん。


しかし、「4」を書くはずだったのに

紙に書かれたのは「フ」という記号。



「1号。おまえまさか、

 数字の『4』が書けないの?」



問いつめる2号。

すると1号は、



「んーと。ポッ君、7号ね。」



そう言いながら、

ポっくんの胸にそのまま紙を

貼りつけたのでした。




いいぞ、1号っ。

負けるな、7号っ。


ところで4~6号はどうしたっ。

×

非ログインユーザーとして返信する

あと 2000文字

※は必須項目です。