笑う黒犬の憂鬱

妻をなくした黒犬が這い回る日常を綴っています

追想58「Smells like teen Spirit」

<2017年8月2日>


今朝の妻は調子が悪く、体温39度だったらしい。僕が到着した頃には、酸素とか点滴とか、いろいろやってくれて、36.5度。ありがとう病院。


小さい音量で1時間歌ったけど、目を覚まさない。

何だろうな。最近は、いつ行っても目を開けてくれない。多分、僕にできることは少ない。


僕にできること。思いつくのは、

仕事と、洗濯と、掃除と、料理と、子どもの世話。


眠っているあなたのためにできること。

洗濯と充電と、手を握ることと、歌うこと。


眠っているあなたに聞かせるために、あなたの好きな曲を毎日練習しているよ。


洗濯と料理の合間にな。


そこそこ楽しいぜ。






物言いたげな

お医者さんに呼び出された。


「誤飲性肺炎」って何だ?


よく分からないが、僕が悪いのか?


妻の食事機能は全面的にやられたという。


点滴だけで命をつなぐ妻の残り時間は、





もうあと数日単位だと。







僕は認めない







帰り道は

カーステレオのボリュームをMAXにして

カートの曲をかける




With the lights out , it’s less dangerous


Here we are now, entertain us


Here we are now entertain us


A mulatto


An albino


A mosquito


My libido


Yah!!!




妻と初めてこの曲を聞いたのも車の中だった


当時の僕たちにはまさに衝撃的な曲だった


二人で車の中を飛び跳ねて


天井を拳で 手のひらで バンバン叩いた





その約20年後


僕は今一人で車の天井を

バカみたいに殴っている





With the lights out , it’s less dangerous


Here we are now, entertain us


Here we are now entertain us


A mulatto


An albino


A mosquito


My libido




A denial, a denial,


A denial, a denial,


A denial, a denial,


A denial, a denial,


A denial




(拒絶する 拒絶する


拒絶する 拒絶する


拒絶する 拒絶する


オレは


絶対に


拒絶する)

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