笑う黒犬の憂鬱

妻をなくした黒犬が這い回る日常を綴っています

重ね着

(2008年子どもたちがまだ小さい頃)


「エンジンオー、チューンナップ!」

「ガンバルオー、チューンナップ!」


子どもたちが

ゴーオンジャーのロボットで

遊ぶ声で目覚めた日曜日。

子どもたちはいつものように

夢中で何かと戦っております。


しかし、次男ポセイドンは

何故か下半身グレーのパンツいっちょです。

きっと着替えの最中に

この戦いが始まってしまったのでしょう。


「あーっ、恥ずかしいよポッ君。

 ガンバルオーで遊ぶ前に

 何か履いてきな。」


ポセイドンにそう言うと

僕は携帯を持って

トイレに籠りました。



「ジャー ゴボゴボー」


約5分後。


トイレから出た僕が目にしたのは、

依然パンツ姿のまま

楽しそうに遊ぶポセイドンの姿でした。

僕はやや強い口調で

ポセイドンに詰め寄りました。


「ポッ君。

 さっきパパ、何か履きなさいって

 言ったよね?」


するとポセイドンは、

即座にこう答えました。


「ポッ君、はいたよー。」


堂々とした答えでした。


顔だけ見てたら

「うん偉かったね」と

褒めてやりたい気分になります。


しかし悲しいことに、

どこからどう見ても

やつの下半身はパンツいっちょです。

眩いばかりの、

白のブリーフいっちょなのです。


ん?


待てよ…白?

さっきはたしか、

グレーのブリーフだったような…


近寄ってめくってみると、

白のブリーフの下から

グレーのブリーフが出てきました。


「何か履け」と言われたやつは、

パンツを2枚重ね履きしたのです。



「何パンツ2枚履いてるのっ。

 ママがお洗濯するの大変でしょ、

 すぐに脱ぎなっ。」


白のパンツを脱がせようとすると、


「いやーっ、恥ずかしいーっ」


と逃げ回るポセイドン。

上のパンツも下のパンツも

パンツはパンツだと思うんだけど、

なんなんだろうな、これ。

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