笑う黒犬の憂鬱

妻をなくした黒犬が這い回る日常を綴っています

年末だから

ヲタクと呼んでいいほど

音楽が好きな妻だった。


僕が仕事で疲れて帰ると、

ウォークマンしながらヘドバンして、

そっから調理はじめてた。


いつだったか僕は、そんな妻に、

「もうちょっとしっかりしろ」

と注意した。

「オレがんばってるんだから」って。


そしたら、「あんたこそ、つまらねえ人間になりやがって」と言い返された。

「私が好きになったあんたは、そんなにつまらねえ人間じゃなかった」って。




だよな。




オレはいつの間にか、

つまらねえ人間になっていた。



妻のウォークマンに初めて手を出してみた。





年末だから。



もっと早く、一緒に聴ければよかったな。



こういう話が、できたらよかったな。

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